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2014年3月 9日 (日)

2月16日「トムの庭」、次は4月5日(土)京都ブック&カフェ「ワンダーランド」で『手から、手へ』と植田正治について語ります。

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 2014年2月16日(日)、愛知県名古屋市東山の「トムの庭」で、トークをしました。
題して「帰りたい風景 植田正治論――写真絵本『手から、手へ』を作って」

あらかじめレジュメを用意しました。
写真を観ないで、写真を語ることはできないので、植田正治の写真をコピーして、
東京から持参。1セット34ページ。人数分用意しました。
昨年末、東京都千代田区神田神保町「平安工房」でのトークでは、
レジュメが1セット70ページくらいあった。多すぎましたね。
今回は、話もレジュメも絞り込みました。
「トムの庭」の店主・月岡さんが合格点をくださいました。
次のブログをご覧ください。
http://tomnoniwa.petit.cc/

トークの内容は、次の章立てでした。

・(レジュメの植田写真を観ながら)植田正治の写真を観る。
・土門拳、荒木経惟と、植田写真を見比べる。
・植田正治の写真は、どうして懐かしいのに、何時観ても新鮮なのか。
一度観たら忘れられないのか。優しくて温かくて、芯が強い。
植田作品は、心の深いところ、意識下に届く。
・植田正治が好きだったもの。
画家、岸田劉生、藤田嗣治、有元利夫。映画監督・小津安二郎。
・写真絵本『手から、手へ』の中で、
池井昌樹の詩「手から、手へ」と植田正治の写真が共鳴した。
池井の詩は、いのちの遠い過去未来から届いたようなことば、
その言葉と植田写真が響きあった。どうして。
池井昌樹の詩の朗読「手から、手へ」「ほのお」「五月」。
・『手から、手へ』の読者の便りと、書評を紹介。
『手から、手へ』の不思議な力。消沈した人たちを、この本が救っている。
・植田の故郷、境港、出雲を訪ねた。
・出雲の作家たち。小泉八雲、植田正治、水木しげる、園山俊二。
・植田正治「パパとママとコドモたち」成田国際空港ロビー壁画プロジェクト。

2時間、語り続けました。

さて、同じようなプログラムで、
4月5日(土)14時より、
京都ブック&カフェ「ワンダーランド」でトークします。

「トムの庭」では、目頭押えている方が何人もいらっしゃいました。
心打つ、心躍る『手から、手へ』と「植田正治」トークです。ほんとです。
ご来場ください。

http://www.wonderland1995.com/

2013年11月28日 (木)

提案[植田正治「パパとママとコドモたち」成田国際空港ロビー壁画プロジェクト]

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12月14日(土)、神田神保町平安工房、植田正治、トークの一端を書きます。

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上の写真は、植田正治の傑作中の傑作「パパとママとコドモたち(1)」
(1949)であります。
才能あふれる植田は、カメラを向けたその時に、一瞬に構図が決まっていたという。
ベストの撮影ポジションに、体が自然に動いて立ってしまう。でも、
この写真だけはちがっていた、と植田の長女、増谷和子が著書『カコちゃんが語る
植田正治の写真と生活』に書いている。これだけは、植田は前夜に絵コンテを描いて、
撮影にのぞんだ。心に期するものがあった。植田には似合わないことばだが、
写真家としての野心がまちがいなくあったにちがいない。
今しか撮れない。親子が、たがいに無垢に信頼しあっている、今しか撮れない。

家族の肖像は、古代からの絵画の大テーマ。おびただしい数の家族の肖像が
描かれてきた。でも、そこには、愛だけでなく、苦味や憎しみ、不信、権力、金と
わだかまりが混じりこんでしまう。
人によっては、家族の暗部を引き出すことこそ、芸術家の
使命だと叫んだりもする。
家族に裏も表も、そのまた裏があることを、植田は百も承知だが、
そんな作品は撮らない。
気持ちの良いもの、美しいものを撮る。

まじりっけのない家族の肖像。
人類が求めてつづけてきた結晶のような家族の肖像を、
植田がついに、はじめて、作った。ほんとうの意味での聖家族の肖像。
20世紀の中葉に作られたので、それは絵画ではなく、写真で作られた。
理想のすがたが形になった。
しかも、植田らしく、偉大な家族の肖像ではなく、普通の家族であり、
ユーモア、親しみ、軽みがあふれている。

神の時代には、キリストを描いた絵画や、仏像が世界をあらわしていた。
王権の時代には、王の肖像が世界そのものだった。
革命の時代には、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」が、
我らのすがたであると人々は喝采した。
最近では、大阪万博の会場を俯瞰した写真が、私たちの未来図であり、
私たちは「人類の進歩と調和」を追い求めてきた。
バブル崩壊、リーマンショック、3.11。
産業は生きるためにいまも大切だが、もう産業の時代じゃない。
科学と進歩の時代でもないと、人々は思っている。
もちろん、強い国家の時代ではない。それでは何をのぞむのか。
人には目標、イメージが必要です。

あなたにとって、一番大切なものはなんですか、と人々に尋ねると、
「家族です」と現代人は答えるだろう。
人類は、多くの紆余曲折(?)をへて、家族の時代にたどりついた。

提案します。
「パパとママとコドモたち」を壁画の大きさに拡大して、成田国際空港の
ロビーに掲げる。今あなたが降り立ったこの国は、「家族を大切にして
います」と伝わるだろう。家族の幸せは、あらゆる国の人々の願いである。
「パパとママとコドモたち」には、2つのバージョンがある。
一つを成田国際空港に。
もう一つは、今、植田正治展が開催されている、
植田が大好きだった赤レンガの東京駅の、コンコースに掲げる。

いつみても、お洒落、新鮮、懐かしい。
一度みたら、忘れられない。
そして、なにやら深い感じ。
無類のオリジナリティー。
植田正治についてトークします。

 語るのは、山本純司。
『手から、手へ』企画と構成、編集。
『ここが家だ-ベン・シャーンの第五福竜丸』企画と編集、
『ひろしま』企画、制作、編集。

2013年12月14日(土)
18時開場、18時半スタート。


参加費1500円(1ドリンク付き)

会場 平安工房
    
(神田神保町にある、センス溢れる家具屋さんです)
    千代田区神田神保町1-46

予約 下記のe-mailまたは電話で、予約をお願いします。
    ☎03-3259-0070 
    mail:info@heian-kobo.co.jp
         http://www.heian-kobo.co.jp/

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『手から、手へ』
詩/池井昌樹、写真/植田正治、企画と構成/山本純司
集英社刊

2013年11月12日 (火)

植田正治について、12月14日(土)、神田神保町でトークします。

植田正治生誕100年、応援自主講座。

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いつみても、お洒落、新鮮、懐かしい。
一度みたら、忘れられない。
そして、なにやら深い感じ。
無類のオリジナリティー。
植田正治についてトークします。

 

語るのは、山本純司。
『手から、手へ』企画と構成、編集。

2013年12月14日(土)
18時開場、18時半スタート。
参加費1500円(1ドリンク付き)

会場 平安工房(神田神保町にある、センス溢れる家具屋さんです)
    千代田区神田神保町1-46
予約 下記のe-mailまたは電話で、予約をお願いします。
    ☎03-3259-0070 
    mail:info@heian-kobo.co.jp
         http://www.heian-kobo.co.jp/

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山本純司
1950年東京生まれ。73年集英社に入社。
雑誌りぼんで漫画スクールを担当。
さくらももこ、矢沢あい、岡田あ~みん他を世に送り出す。
美術展「鳥山明の世界」展を企画。
映画「耳をすませば」「鉄道員」の制作に
参加。
『満点ゲットシリーズ』を企画編集。
『にほんごであそぼ 雨ニモマケズ』を企画編集。
『ここが家だ-ベン・シャーンの第五福竜丸』を企画編集、
2007年日本絵本賞受賞。
『ひろしま』を企画制作編集、2009年、毎日芸術賞受賞。
2011年集英社を定年退職。
2012年『手から、手へ』を企画構成。

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『手から、手へ』
詩/池井昌樹、写真/植田正治、企画と構成/山本純司
集英社刊

〇植田正治生誕100年企画〇

・「植田正治のつくりかた」展 10/12~2014/1/5 東京ステーションギャラリー
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/now.html

・「植田正治の道楽カメラ」展 10/16~11/25 ATSUKOBAROUH渋谷文化村うら。
http://l-amusee.com/atsukobarouh/schedule/2013/1016.php

・「植田正治とジャック・アンリ・ラルティーグ」展 11/23~2014/1/26
東京都写真美術館 http://www.syabi.com/contents/exhibition/index-2015.html

※トークの内容は、このブログで少しずつお知らせしてゆきます。

2013年10月 1日 (火)

「BOOK BOOK AIZU 2013」でトークします。

わたしの仕事場の近くに「八百コーヒー店」というカフェがある。
ここの店主のお二人は、人柄がとてもよろしいのです。
オープンハートで明るくて、話し掛けたくなるし、話し掛けてもくれます。
ほっとする空間とい言葉があるけど、ここはそれ以上に良い感じ。
心がほどけて、体の力も抜けてくる。
仕事終わりに、一休みに最適です。

お客さんを紹介してくれます。
紹介すると、何か良いつながりができるんじゃないかな。
気が合うかもしれないと、判断すると、お客さんを紹介してくれます。
この人は、これこれあれこれの仕事をしていて、こちらは、
なになにぬねのねの仕事をしています。
そうして、新しい知り合いができ、会話が始まる。
友人が増えてゆく。

ふつう喫茶店やカフェというと、一人で本よ読んだり、
友人と語り合ったりするところで、客同士は居るんだか
居ないんだか判んないように、無関心を装いますよね。
ここ「八百コーヒー店」では違います。
若い人と知り合えるのが、とくに嬉しいね。

紹介されて知り合った、イラストレーターの辻恵子さんと
出版関係の山本ご夫妻のお陰で、
会津でトークします。詳しくは、こちらを。

http://bookbookaizu.info/event/talk

「八百コーヒー店」は、こちら。
http://www007.upp.so-net.ne.jp/happyaku/

イラストレーターの辻恵子さんは、こちら。
http://www.tsujikeiko.com/

2013/10/1

2012年10月20日 (土)

『手から、手へ』を作りました。

これが作った本『手から、手へ』です。                                 

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『手から、手へ』
詩/池井昌樹、写真/植田正治、企画と構成/山本純司。
ブックデザイン/佐藤卓、日下部昌子。
B5判変型、ハードカバー、上製本、32ページ。
価格1260円(税込)、2012年10月5日発売(発売中)、集英社刊。

急ぎのお知らせです。
本日10月21日(日)、NHKラジオ深夜便、24時10分頃より、
もと筑摩書房の松田哲夫さんが、
『手から、手へ』について語ってくださいます。
アナウンサーの方が、部分的にですが、掲載している詩
「手から、手へ」を朗読します。
放送は、都合により変更になることがあります。
         http://www.nhk.or.jp/shinyabin/
         http://www.nhk.or.jp/shinyabin/pro/b7.html

この放送、楽しみにしています。

今年の夏、6月13日付けの、このぼくのブログで、
「新しい本をつくります」と報告し、
同時進行の本制作のレポートを、
本の完成まで適宜お届けすると書いた。
ああそれなのに、ぼくは全然レポートできませんでした。
スタート宣言で、ストップしてしてしまった。

ずーと以前から、何かを始めると、それ以外が何もできなくなってしまうのです。
没頭する。他のもの気手につかない。気が回らない。
制作中は、四六時中、そればかり考えている。

本の奥付には、企画と構成と書いてあるが、
ぼくは編集者、この本の編集も担当した。
また、ぼくは元宣伝マン。宣伝もお手伝いした。
仕事はいっぱいありました。
宣言から4か月で本が出来上がり、今、書店に、ネット書店に並んでいる。

どうぞ、皆様、手に取ってお読みになってください。
詩1篇を、写真絵本にしました。3分ぐらいで読めます。
立ち読みしてください。
もし、お気に召して頂けましたら、
どうか、よろしくお願いします。

2012/10/20

2012年6月13日 (水)

「新しい」本を作ります。

「新しい本」の編集作業に入りました。

Img_0001Imgぼくにとって久しぶりの本作り。
『ひろしま』(石内都)以来である。
『ひろしま』が2008年4月発売なので、じつに4年ぶりの
仕事である。

フリーになっての初めての本作り。
ワクワクするし、緊張もしている。

本のアイディアが閃いたのが、2009年6月である。
それから、ずーと考えていた。
四六時中考えていた訳ではないが、折に触れ考えていた。

関連する書籍を可能な限り購入し、眺めて、読んだ。
ゆかりの土地に取材旅行もした。

アイディアは、ある何かに触発されて、突然湧き上がってくる。
天から降ってくるというより、自分の内側から、
ぱっと飛び出してくる。

これは本になるぞ、と閃いた瞬間は歓喜だが、
それからは辛苦が待っている。
アイディアは骨格みたいなもので、肉を付けていかないと、
作品にはならない。

本に必ずなる、という保証はどこにもない。
アイディアのままで、成長しなかったプランはいくつもある。
出口に見えない不安の中で、考え続ける。

何度も行き詰る。何度も絶望する。
でも、何度も立ち直って、次の手を、別の方法を
模索する。

歳をとっていいことは、無理をしなくなった。
無理が出来なくなった。壁に突き当たったら、散歩に出る。
昼寝する。今日の仕事は辞めにする。

10時半ごろ仕事をはじめ、6時半には仕舞にする。
いわゆる残業はしない。そのかわり、毎日働く。
ほかにすることもないので、土日も事務所に出たりする。

『ここが家だ-ベン・シャーンの第五福竜丸』と『ひろしま』は、
アイディアが浮かんで、本にしようと決めたら、
企画に最適の作家を探し出し、依頼し、
そして、プロジェクト・チームを組んで仕事を進めた。

今回は、すべてを一人で進めている。
自分のアイディアを、自分で作品にする。
昨年の10月に、アイディアは作品に成長した。

幸い、望外の版元と出会うことができた。
秋に発売する予定である。

仕事は内緒に進めます。
当分は、企画について具体的に語れない。
固有名詞は明かせない。

でも、本ができるまでを、同時進行ドキュメントします。
隔靴掻痒、お許し下され。

2012年6月 2日 (土)

お世話になった本屋さん。

086_1280x960                                    ↑「おいおい、この写真、傾いていてるぞ」 
                  「[惜別]を演出したら、こうなった」

ぼくは、サラリーマンだったころ、
板橋の家から地下鉄都営三田線で、神保町に通っていた。
家から駅まで10分ちょっと。
途中に本屋さんが1軒あった。

夫婦でやっている、いそじま書店。

場所柄、3日と空けずに、立ち寄った。

朝はとても早い。通勤客相手に、7時ごろから
店を開けていた。客の応対をしながら、取次の会社から
届いた荷をほどき、雑誌の入れ替え、
新刊本の棚入れなどに、忙しい。

店の外に、小さな椅子を出して作業する。
寒い日も、暑い日も、風の日も、雨の日も、ときには雪の日も、
朝の日課である。

本屋の仕事は、整理整頓が命。
どの雑誌を、どの本を、どこに、どうのように並べるかが、
売れ行きを左右する。
だから、手を抜けないのである。

はたきでもって立ち読みを阻止する、本屋の親父が、
よく漫画に出てくるが、ふたりはこれとは大違い。
居眠りする店主、不機嫌そうな顔した店主とも
全然違う。

いつもニコニコ。客と大声でおしゃべりしていた。
明朗なのである。

スーパーや、コンビニ、ファストフードのお店にはない、
店主と客の会話があった。
これは天気の話であっても、いいものだ。
たわいなくて、いいのである。

朝、出がけに、ちょっとのぞく。
働いている二人を見ると、こちらも
よーしという気分になってゆく。

朝早く起き、新聞配達の少年少女に会うと、
元気ななったし、
最近は見かけないが、牛乳配達の人に会うと、
牛乳を飲んでないのに、力が湧いてきた。
あれと同じである。

夜、帰宅のときは、お店に長居した。
いろいろとおしゃべりした。
話しているうちに、仕事の緊張が溶け、1日が終わって行く。

閉店は11時過ぎだったように思う。
サラリーマンの帰りを見届けて、店を閉じる。
夜の読書のお相手は如何ですかと、最後のセールスをして
シャッターを下ろすのだ。

ぼくは、出版社勤務だったので、大変お世話になった。
たびたび売れ行き調査をした。

配本の部数を聞き、雑誌や単行本の、3日目調査、5日目調査
10日目調査などをした。
積んである雑誌の数を数えて、昨日より減ったぞ。
まったく減っていない、と一喜一憂、いや正しくは
一喜五憂したのである。

ぼくの長い出版社勤務は、磯島書店とともにあった。

2010年に磯島書店が店を閉じた。
働きすぎだから、止めていいよ。
しようがないよ、と思った。
ぼくの定年退職の日より、少し早かった。

上の写真は、記念に撮ったもの。

書店は明治以降のものだろうか。
いや、江戸時代も書店は繁盛していたと、
どこかで読んだ。
江戸から続いた書店が今、衰退の一途である。

本を求めて、人々が集った。
書店は文化だった。

コンビニでも雑誌は買えるが、買うだけである。
本を中心に、人が集うことはない。
集わないと文化にはならない。
コンビニは、流通である。

本はあらゆる人に開いている。
誰でも覗ける。
パソコンは、パソコンのを持っている人にしか、
開いていない。

雑誌の発売日を待ちかねた、子供たちが
集まっている。
今日は無邪気に笑い合っているが、
ひとりで来るときには、なにやら深刻な顔して、
大人雑誌や文庫本を覗いている。

本屋は、近所にあることがいい。
本屋は、個人経営だからいい。

小川や野原は、近所にあるからいいのだ。
一人で、子供同士で行けるからいいのだ。

親子で行く海山川、大型書店とは訳が違う。

2012年5月22日 (火)

手で考えた人。ベン・シャーンについて語りました。

トーク・イベント

「手で考えた人。ベン・シャーンについて語ります」報告。
2012年5月19日。15時~17時。
茗荷谷コントラスト・ガレリアにて。

語った人/山本純司
聞いてくださった方/25名。

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「手で考えた人。ベン・シャーンについて語ります」
の目次。

1、はじめに、薔薇に出会う

2、ベン・シャーンの顔と手

3、ベン・シャーンの絵は、大きく2つに分類できる。
一つは、モンタージュ絵画。
もう一つは、シンプルなドローイング。
または、20世紀の美術―イラストレーション芸術の頂点。

4、ギザギザな線が特徴。いま生きている。人生を祝福する
絵画。イラストレーション芸術の頂点。

5、モンタージュ絵画絵画入門編。
いくつかの要素が足し算される。知的なパズル絵画。
考えながら、観ると面白い。

6、ベン・シャーンとニューディール、その2。
フランクリン・ローズベルト大統領の
ニューディール政策は、芸術も支援した。

7、ベン・シャーンとニューディール、その2.
ベン・シャーンの写真。
平等の眼差し。または、非政治的なカメラアイ。

8、サンデー・ペインティング。
描くことが楽しい。神は細部に宿る。

9、ベン・シャーンの人間模様。滑稽で愛おしい、
ほろ苦いユーモア。

10、ベン・シャーン、事件を描く。

11、ベン・シャーンと戦争

12、第五福竜丸事件の連作。
ラッキー・ドラゴンシリーズ。

13、日本の社会派の、絵画と写真。

14、ベン・シャーンの、現代社会を批評する絵画。

15、ベン・シャーンは現代絵画に否定的だった。

16、「ベン・シャーンのマルテの手記」の正しい見方。

17、ベン・シャーンの傑作「ハンドボール」を読み解く。

18、ベン・シャーンと「ウエストサイド物語」
そして、ジェローム・ロビンスとレナード・バーンステイン。

19、ベン・シャーンに影響をうけた人々。

絵は理屈よりも、うんちくよりも、自分お目で観ることです。
観て、楽しむものです。
388点の絵画、写真をスクリーンに投影しました。
ベン・シャーンだけでなく、様々な画像を映しました。

1時間40分語りました。

「手で考えた人。ベン・シャーン」を、このブログ上で、随時連載します。

ベン・シャーンについて語ります。福島県美といわき市美からの贈り物。

5月19日のトーク、
「手で考えた人。ベン・シャーンについて語ります。」は、
福島県立美術館と、
いわき市立美術館の応援企画です。
以下の6点を、ご来場の皆様にお配りました。

                                ↓いわき市美より、「館のパンフレット」と「展覧会スケジュール」

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              ↓いわき市美より、「いわきの観光ガイドマップ」Img_0001

               ↓福島県美より、「ベン・シャーン展のフライヤー」         Img_0002

              ↓福島県美より、「福島県の観光ガイドブック」

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              ↓福島県美より、「福島県の観光地図」

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いわき市立美術館の杉浦友治さんからは、
つぎの3点が送られてきました。

1、いわき市立美術館のパンフレット。
表紙がアンディ―・ウォーホル「16のジャッキーの肖像」。
パンフの中面には、名作ジェイムズ・ローゼンクイスト「成長計画」が
載っています。

2、24年度いわき市立美術館 展覧会のご案内
只今は、「宮沢賢治・詩と宇宙―理想郷イーハトーブを夢みて」を開催中。
7月21日からは、「ホノルル美術館所蔵 北斎展」 これお薦めですね。

3、いわき観光ガイドマップ
ご存じ、スパリゾート・ハワイアンズ、アクアマリンふくしま。
国宝・白水阿弥陀堂は、平安時代に作られた、浄土の世界。行ったことあります。
美しかった。
いわき市立草野心平記念文学館。草野さんは、蛙の詩人。

福島県立美術館の荒木康子さんからは、
つぎの3点。

1、福島県立美術館 
「ベン・シャーン クロスメディア・アーティスト」展のフライヤー。
6月3日~7月16日。
入場料が通常よりの安い。一般・大学生=600(480)円。
イベント企画が盛りだくさん。
山田太一さんは、6月3日、ぼくの友人の真下弥生さんは6月17日。
詳しくは、福島県美のホームページを。
http://www.art-museum.fks.ed.jp/exhibition/shahn_cma.html

2、福島県観光ガイドマップ。
猪苗代湖、磐梯高原、野口英世、会津若松、相馬、見どころいっぱい。
福島は、温泉もいい。ぼくは、30年前に、自転車で浜通りの鉱泉、
温泉を巡った。冬の浜通りは、ぽかぽか温かで、気持ち良かった。

3、福島県観光マップ。
左右86.5cm天地61cmのドデカい地図。

ご来場の皆さまに確かにお渡ししました。
喜んでくださいました。

 

2012年5月13日 (日)

ベン・シャーンについて語ります。福島を行く、その2。

P4250599                    ↑いわき市立美術館

P4250597_3                    ↑学芸員の杉浦友治さん

P4250602_2           ↑カトリックいわき教会。美術館の目の前にある。建築がかっこいいので
           思わず、パチリ。もっと寄って撮らないとね。情けない。                

 

Jビレッジのある交差点をUターンして、陸前浜街道を南下する。
第二の目的地、いわき市立美術館へ向う。
途中、久之浜(ひさのはま)に寄る。

冷たい海流が流れ込んだのか、海上は霧が湧いて真白である。
久之浜卸売市場、久之浜港と見る。
どちらも、建物の骨組みやコンクリ部分は、かろうじて残っているが、
壊滅状態だ。港では、防波堤が破壊されいる。
それでも、復旧工事が始まっていた。クレーンが動いている。

久之浜の町は、海側がほぼ半分、根こそぎにやられている。
更地のような状態になっている。
津波は、防波堤を越えてやってきた。

防波堤の前に、2階建てが、1軒残っていた。
海に向かった窓が、すべて壊され、ドールハウスのように中が、丸見えである。

2階は、防波堤の少し上にあり、海が見える位置にある。
海を見る毎日、潮風にあたる生活が、この家族のテーマだったのだろう。
2階が、生活の中心だ。台所があり、バルコニーがついている。

天気の良い日は、バルコニーに出て、家族みんなで、
ときには近所の人も呼んで、食事をしたに違いない。

小さな社が、更地にぽつんと、あった。
神様だから、残ったのか。神様だから、いの一番に修繕したのか。

いわき市立美術館では、お二人にお会いした。
学芸員の植田玲子さん。次回(今はもう始まっていますが)の
展覧会「宮沢賢治展」の建込みの真っ最中。
お忙しい中、名刺の交換してくださいました。

美丈夫ということばが、すぐに浮かんだ。美丈夫は、男に使うことばだけど、
彼女には、それがぴったりだ。
ぼくは褒めている。きりりとして恰好いい。

学芸員の杉浦友治さんから、お話をうかがった。
穏やかに、ゆったりと話す。
怒りとか糾弾が混じることがない。

放射線値が高かったころ、線量計を持って帰宅して、
家の中を測った。
3回ぐらい測ったが、いまはもうやっていない。

原発が爆発し、市民が、逃げ出した。
正確な数字の記録はないが、
市民の半数と感じられるくらいの人々が、避難した。

いわき市の人口は、33万人。その光景を想像する。
昼夜を問わず、車の列が延々と続いているのだ。

人々は戻ってきているが、
震災、原発事故から1年たった、いまでも、
7000人くらいが、市外にいる。

一方、新たに20000人くらいの人たちが、市に入ってきた。
相双地区(相馬郡と双葉郡)から、避難してきた人々である。

「仮の町」構想が進行している。
いわき市の中に、別の町―仮の町を、入れ子構造で作るのだ。

原発で作業する人々の多くが、いわきに滞在している。
そうそう、Jビレッジからいわきに向かう道の、ロードサイドにあった
民宿や旅館。そこに、必ず車が止まっていた。洗濯物が
干してあった。原発で作業する人々が、泊まっているのだ。

いわき市は、原発事故対策、福島復興の一大拠点である。
福島の未来だけでなく、大袈裟な言い方かもしれないが、
世界の未来が懸かっている。

原発の風評被害で、観光客が激減。前年度比10パーセントに
落ち込んでいる。
ぼくのトークの会場で、いわき市立美術館のパンフレットと、いわきの観光
地図を配る。
杉浦さんが、願いを込めて、送ってくれたものである。

いわき市立美術館は、ぼくにとって縁の深いところ。
ぼくが集英社の宣伝部員だったときに企画した、「鳥山明の世界」展を
1994年に開催してところ。
当時学芸員で、図録に長文の「鳥山明論」を書いた、佐々木吉晴さんは、
出世して、いまは館長さんである。

5月19日のぼくのトーク、「手で考えた人。ベン・シャーンについて語ります」は、
ささやかですが、
福島県立美術館だけでなく、いわき市立美術館も応援します。

朝日新聞に、いわきの観光の現状と、その対策の記事があります。
http://www.asahi.com/national/update/0502/TKY201205020179.html

いわき市観光協会
http://www.kankou-iwaki.or.jp/

いわき市立美術館
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/kyoiku/museum/002482.html

«ベン・シャーンについて語る。福島に行ってきた。