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2012年5月13日

2012年5月13日 (日)

ベン・シャーンについて語ります。福島を行く、その2。

P4250599                    ↑いわき市立美術館

P4250597_3                    ↑学芸員の杉浦友治さん

P4250602_2           ↑カトリックいわき教会。美術館の目の前にある。建築がかっこいいので
           思わず、パチリ。もっと寄って撮らないとね。情けない。                

 

Jビレッジのある交差点をUターンして、陸前浜街道を南下する。
第二の目的地、いわき市立美術館へ向う。
途中、久之浜(ひさのはま)に寄る。

冷たい海流が流れ込んだのか、海上は霧が湧いて真白である。
久之浜卸売市場、久之浜港と見る。
どちらも、建物の骨組みやコンクリ部分は、かろうじて残っているが、
壊滅状態だ。港では、防波堤が破壊されいる。
それでも、復旧工事が始まっていた。クレーンが動いている。

久之浜の町は、海側がほぼ半分、根こそぎにやられている。
更地のような状態になっている。
津波は、防波堤を越えてやってきた。

防波堤の前に、2階建てが、1軒残っていた。
海に向かった窓が、すべて壊され、ドールハウスのように中が、丸見えである。

2階は、防波堤の少し上にあり、海が見える位置にある。
海を見る毎日、潮風にあたる生活が、この家族のテーマだったのだろう。
2階が、生活の中心だ。台所があり、バルコニーがついている。

天気の良い日は、バルコニーに出て、家族みんなで、
ときには近所の人も呼んで、食事をしたに違いない。

小さな社が、更地にぽつんと、あった。
神様だから、残ったのか。神様だから、いの一番に修繕したのか。

いわき市立美術館では、お二人にお会いした。
学芸員の植田玲子さん。次回(今はもう始まっていますが)の
展覧会「宮沢賢治展」の建込みの真っ最中。
お忙しい中、名刺の交換してくださいました。

美丈夫ということばが、すぐに浮かんだ。美丈夫は、男に使うことばだけど、
彼女には、それがぴったりだ。
ぼくは褒めている。きりりとして恰好いい。

学芸員の杉浦友治さんから、お話をうかがった。
穏やかに、ゆったりと話す。
怒りとか糾弾が混じることがない。

放射線値が高かったころ、線量計を持って帰宅して、
家の中を測った。
3回ぐらい測ったが、いまはもうやっていない。

原発が爆発し、市民が、逃げ出した。
正確な数字の記録はないが、
市民の半数と感じられるくらいの人々が、避難した。

いわき市の人口は、33万人。その光景を想像する。
昼夜を問わず、車の列が延々と続いているのだ。

人々は戻ってきているが、
震災、原発事故から1年たった、いまでも、
7000人くらいが、市外にいる。

一方、新たに20000人くらいの人たちが、市に入ってきた。
相双地区(相馬郡と双葉郡)から、避難してきた人々である。

「仮の町」構想が進行している。
いわき市の中に、別の町―仮の町を、入れ子構造で作るのだ。

原発で作業する人々の多くが、いわきに滞在している。
そうそう、Jビレッジからいわきに向かう道の、ロードサイドにあった
民宿や旅館。そこに、必ず車が止まっていた。洗濯物が
干してあった。原発で作業する人々が、泊まっているのだ。

いわき市は、原発事故対策、福島復興の一大拠点である。
福島の未来だけでなく、大袈裟な言い方かもしれないが、
世界の未来が懸かっている。

原発の風評被害で、観光客が激減。前年度比10パーセントに
落ち込んでいる。
ぼくのトークの会場で、いわき市立美術館のパンフレットと、いわきの観光
地図を配る。
杉浦さんが、願いを込めて、送ってくれたものである。

いわき市立美術館は、ぼくにとって縁の深いところ。
ぼくが集英社の宣伝部員だったときに企画した、「鳥山明の世界」展を
1994年に開催してところ。
当時学芸員で、図録に長文の「鳥山明論」を書いた、佐々木吉晴さんは、
出世して、いまは館長さんである。

5月19日のぼくのトーク、「手で考えた人。ベン・シャーンについて語ります」は、
ささやかですが、
福島県立美術館だけでなく、いわき市立美術館も応援します。

朝日新聞に、いわきの観光の現状と、その対策の記事があります。
http://www.asahi.com/national/update/0502/TKY201205020179.html

いわき市観光協会
http://www.kankou-iwaki.or.jp/

いわき市立美術館
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/kyoiku/museum/002482.html

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