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2012年5月 3日 (木)

ベン・シャーンについて語る。福島に行ってきた。

                                      [↓写真の奥がJビレッジ]P4250574_1024x768
                     [↓福島第一方向]P4250569                                    

                   [↓ベン・シャーン 美しきものすべて]
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5月19日の、ぼくのベン・シャーンについての「トーク」には、
――福島県立美術館「ベン・シャーン マルチメディア アーテイスト展」応援企画――
という、副題がついている。

福島を応援するということには、何か特別なものがある。
名古屋のベン・シャーン展を応援する「トーク」は、気楽な面があったけど、
福島はそうはいかない。

語る前に、福島を訪ねようと思った。
ぼくには、見ることぐらいしかできないが、
見ないで、応援はできない。

昨年の9月末、ぼくは息子の案内で、岩手の被災地を回った。

テレビや新聞、雑誌で、何度も岩手の被災地を見ていたが、
現場に立って見るのと、テレビで見るとは大違いだった。
テレビで見ていると、なんか遠くの国の話しに見えてしまうけど、
一度でも、その場に立つと、じぶんの一部のように感じられた。

テレビは、ヴァーチャルなんだ。

痛々しかった。
傷口を見るような風景だった。
テレビでは見られないものを見た。
その時から、福島も、いつか訪ねようと思っていた

4月25日、友人の車で、常磐自動車道を北上した。
山桜だろうか、ピンクや白い桜が満開だった。
春爛漫である。

常磐道には高い山がない。だから、深い谷もない。
だだっ広い関東平野を抜けると、小高い丘や山が連なる景色。
東北道、関越、中央道とは、全然違う。

産毛が生えたように白っぽい茶色と
灰色、ところどころに初々しい新緑の黄緑と、
桜のピンクと白。

山全体が白っぽい和菓子の色だ。
原色が一つもない。

山笑うは、新緑の山をあらわす、春の季語。
たしかに山が笑っている。

山の神は女だというが、女性がたおやかに笑っている。
激するものがどこにもない。
やさしい景色。おだやかな春の日差し。

いわきを越えると、徐徐に車が少なくなった。
前を行く車も、後ろから近づく車もない。
対向車が消えた。

出来るだけ、原発に近づくのが、今回の旅の
目的の一つ。

常磐道は、広野で通行止めである。

陸前浜街道に入る。
すると、行く手を遮るものが、突然あらわれた。
警察官か、いや、警備の人である。
楢葉工業団地入り口交差点で、行き止まりになった。

前方が福島第1原子力発電所。右がJビレッジ。
原発方向では、10名近くの機動隊員が、
出入りする車を1台1台止め、
許可証の提示を求めている。

大型バスに、日立、三菱重工、東芝、鹿島などの文字が読める。
放射線防護服を着た人たちが、その中にいる。
トラック、乗用車の出入りもある。

緊張してしまった。体が自由に動かなかった。
カメラを、防護服の人たちの車に、向けることが出来なかった。

メルトダウンしたチェルノブイリは、事故後26年を経過しているが、
いまだ廃炉の目途はついていない。
さらに20年、30年掛るという。

福島の事故処理、廃炉も、30年以上かかる。
原発は、人間の能力を超えている。
一人の人間の、命の長さを越えている。

使用済み核燃料、放射性廃棄物の処理問題も
未解決のままである。

戦後、ぼくたちは、モノとカネの繁栄を求めて、
ひた走った。
合理と便利と、豊かさを追求しつづけた。

そうして、大衆消費社会を経て、
大衆消費宣伝情報社会を作り上げた。
いまも、その延長線上にある。

震災後、日本に永住を決めた
ドナルド・キーンさんが言っていた。
美の敵は便利さですよ。

ベン・シャーンの絵に、こんなものがある。

ニューヨークのビル街。
前景に、彫刻が施された、煉瓦の小さなビルが並んでいて、
後方に、建築現場のクレーンがいくつも動いている。
さらにその後に、ガラス張りの高層ビルが林立している。

まるで、アニメーションのような絵。
クレーンがゴトゴトと動いて、煉瓦のビルが壊され、
高層ビルに代ってゆく。

バージニア・リー・バートンの絵本「ちいさいおうち」に
似ている。

ベン・シャーンは、ガラス張りの高層ビルよりも
人間的な煉瓦のビルが好きだった。

ぼくは、ぼくたちが築いてきた、戦後の文化を問いたい。

毎日3000人の作業員が、Jビレッジから、この交差点を通り、
福島第一に向かっている。
桜は、いまが盛り。

桜に木の下には………。

つぎの目的地は、いわき市。
いわき市立美術館を訪ねた。
以下、つづく。

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