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2012年6月2日

2012年6月 2日 (土)

お世話になった本屋さん。

086_1280x960                                    ↑「おいおい、この写真、傾いていてるぞ」 
                  「[惜別]を演出したら、こうなった」

ぼくは、サラリーマンだったころ、
板橋の家から地下鉄都営三田線で、神保町に通っていた。
家から駅まで10分ちょっと。
途中に本屋さんが1軒あった。

夫婦でやっている、いそじま書店。

場所柄、3日と空けずに、立ち寄った。

朝はとても早い。通勤客相手に、7時ごろから
店を開けていた。客の応対をしながら、取次の会社から
届いた荷をほどき、雑誌の入れ替え、
新刊本の棚入れなどに、忙しい。

店の外に、小さな椅子を出して作業する。
寒い日も、暑い日も、風の日も、雨の日も、ときには雪の日も、
朝の日課である。

本屋の仕事は、整理整頓が命。
どの雑誌を、どの本を、どこに、どうのように並べるかが、
売れ行きを左右する。
だから、手を抜けないのである。

はたきでもって立ち読みを阻止する、本屋の親父が、
よく漫画に出てくるが、ふたりはこれとは大違い。
居眠りする店主、不機嫌そうな顔した店主とも
全然違う。

いつもニコニコ。客と大声でおしゃべりしていた。
明朗なのである。

スーパーや、コンビニ、ファストフードのお店にはない、
店主と客の会話があった。
これは天気の話であっても、いいものだ。
たわいなくて、いいのである。

朝、出がけに、ちょっとのぞく。
働いている二人を見ると、こちらも
よーしという気分になってゆく。

朝早く起き、新聞配達の少年少女に会うと、
元気ななったし、
最近は見かけないが、牛乳配達の人に会うと、
牛乳を飲んでないのに、力が湧いてきた。
あれと同じである。

夜、帰宅のときは、お店に長居した。
いろいろとおしゃべりした。
話しているうちに、仕事の緊張が溶け、1日が終わって行く。

閉店は11時過ぎだったように思う。
サラリーマンの帰りを見届けて、店を閉じる。
夜の読書のお相手は如何ですかと、最後のセールスをして
シャッターを下ろすのだ。

ぼくは、出版社勤務だったので、大変お世話になった。
たびたび売れ行き調査をした。

配本の部数を聞き、雑誌や単行本の、3日目調査、5日目調査
10日目調査などをした。
積んである雑誌の数を数えて、昨日より減ったぞ。
まったく減っていない、と一喜一憂、いや正しくは
一喜五憂したのである。

ぼくの長い出版社勤務は、磯島書店とともにあった。

2010年に磯島書店が店を閉じた。
働きすぎだから、止めていいよ。
しようがないよ、と思った。
ぼくの定年退職の日より、少し早かった。

上の写真は、記念に撮ったもの。

書店は明治以降のものだろうか。
いや、江戸時代も書店は繁盛していたと、
どこかで読んだ。
江戸から続いた書店が今、衰退の一途である。

本を求めて、人々が集った。
書店は文化だった。

コンビニでも雑誌は買えるが、買うだけである。
本を中心に、人が集うことはない。
集わないと文化にはならない。
コンビニは、流通である。

本はあらゆる人に開いている。
誰でも覗ける。
パソコンは、パソコンのを持っている人にしか、
開いていない。

雑誌の発売日を待ちかねた、子供たちが
集まっている。
今日は無邪気に笑い合っているが、
ひとりで来るときには、なにやら深刻な顔して、
大人雑誌や文庫本を覗いている。

本屋は、近所にあることがいい。
本屋は、個人経営だからいい。

小川や野原は、近所にあるからいいのだ。
一人で、子供同士で行けるからいいのだ。

親子で行く海山川、大型書店とは訳が違う。

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