フォト
無料ブログはココログ

« 2013年11月12日 | トップページ | 2014年3月9日 »

2013年11月28日

2013年11月28日 (木)

提案[植田正治「パパとママとコドモたち」成田国際空港ロビー壁画プロジェクト]

_0010

12月14日(土)、神田神保町平安工房、植田正治、トークの一端を書きます。

Papa_mama1113_3

Photo_2
                                                                                                                                                                              

上の写真は、植田正治の傑作中の傑作「パパとママとコドモたち(1)」
(1949)であります。
才能あふれる植田は、カメラを向けたその時に、一瞬に構図が決まっていたという。
ベストの撮影ポジションに、体が自然に動いて立ってしまう。でも、
この写真だけはちがっていた、と植田の長女、増谷和子が著書『カコちゃんが語る
植田正治の写真と生活』に書いている。これだけは、植田は前夜に絵コンテを描いて、
撮影にのぞんだ。心に期するものがあった。植田には似合わないことばだが、
写真家としての野心がまちがいなくあったにちがいない。
今しか撮れない。親子が、たがいに無垢に信頼しあっている、今しか撮れない。

家族の肖像は、古代からの絵画の大テーマ。おびただしい数の家族の肖像が
描かれてきた。でも、そこには、愛だけでなく、苦味や憎しみ、不信、権力、金と
わだかまりが混じりこんでしまう。
人によっては、家族の暗部を引き出すことこそ、芸術家の
使命だと叫んだりもする。
家族に裏も表も、そのまた裏があることを、植田は百も承知だが、
そんな作品は撮らない。
気持ちの良いもの、美しいものを撮る。

まじりっけのない家族の肖像。
人類が求めてつづけてきた結晶のような家族の肖像を、
植田がついに、はじめて、作った。ほんとうの意味での聖家族の肖像。
20世紀の中葉に作られたので、それは絵画ではなく、写真で作られた。
理想のすがたが形になった。
しかも、植田らしく、偉大な家族の肖像ではなく、普通の家族であり、
ユーモア、親しみ、軽みがあふれている。

神の時代には、キリストを描いた絵画や、仏像が世界をあらわしていた。
王権の時代には、王の肖像が世界そのものだった。
革命の時代には、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」が、
我らのすがたであると人々は喝采した。
最近では、大阪万博の会場を俯瞰した写真が、私たちの未来図であり、
私たちは「人類の進歩と調和」を追い求めてきた。
バブル崩壊、リーマンショック、3.11。
産業は生きるためにいまも大切だが、もう産業の時代じゃない。
科学と進歩の時代でもないと、人々は思っている。
もちろん、強い国家の時代ではない。それでは何をのぞむのか。
人には目標、イメージが必要です。

あなたにとって、一番大切なものはなんですか、と人々に尋ねると、
「家族です」と現代人は答えるだろう。
人類は、多くの紆余曲折(?)をへて、家族の時代にたどりついた。

提案します。
「パパとママとコドモたち」を壁画の大きさに拡大して、成田国際空港の
ロビーに掲げる。今あなたが降り立ったこの国は、「家族を大切にして
います」と伝わるだろう。家族の幸せは、あらゆる国の人々の願いである。
「パパとママとコドモたち」には、2つのバージョンがある。
一つを成田国際空港に。
もう一つは、今、植田正治展が開催されている、
植田が大好きだった赤レンガの東京駅の、コンコースに掲げる。

いつみても、お洒落、新鮮、懐かしい。
一度みたら、忘れられない。
そして、なにやら深い感じ。
無類のオリジナリティー。
植田正治についてトークします。

 語るのは、山本純司。
『手から、手へ』企画と構成、編集。
『ここが家だ-ベン・シャーンの第五福竜丸』企画と編集、
『ひろしま』企画、制作、編集。

2013年12月14日(土)
18時開場、18時半スタート。


参加費1500円(1ドリンク付き)

会場 平安工房
    
(神田神保町にある、センス溢れる家具屋さんです)
    千代田区神田神保町1-46

予約 下記のe-mailまたは電話で、予約をお願いします。
    ☎03-3259-0070 
    mail:info@heian-kobo.co.jp
         http://www.heian-kobo.co.jp/

Map_6

108jpg_1_3

『手から、手へ』
詩/池井昌樹、写真/植田正治、企画と構成/山本純司
集英社刊

« 2013年11月12日 | トップページ | 2014年3月9日 »